顎関節症専門医のつぶやき(グリデン日記)

歯科医院(通称グリデン)からの顎関節症についての情報です。

こころの病は誰が診る?

こころの病は、誰が診る

こころの病は、誰が診る

本書は自治医科大学学長・日本医学会会長の高久史麿先生と北里大学医学部精神医学主任教授の宮岡等先生との対談であるが、そこに司会者も議論に加わり対談形式となっている。
 日本の自殺者数はこの10年間以上、毎年3万人以上という数字が発表されている。精神科医療だけで自殺を減らすことができるのであろうか?プライマリケア医やかかりつけ医の役割はなんであろうか?プライマリケアの段階で精神的なケアができれば、ふだん患者さんと付き合っている内科の先生が話を聞いてあげるだけで患者さんはすごく気持ちが楽になる。精神的な問題は、内科医の普通の診療が割と治療効果を持っているのでプライマリケア医の役割はとても大事である。プライマリケア医を受診する患者さんの10人に1人ぐらいは精神的な疾患でうつ病なり不安障害なりがあるといわれている。それゆえプライマリケアで身体症状を持つ患者さんを診察するときは心と身体もちゃんと両方聞くことが基本である。歯科医はどうしても口の中にばかり目が行きがちであるが、ほとんどの患者さんがメンタルな問題を抱えているといわれている現代において、歯科医も精神科領域の知識が必要であるということを改めて認識させられた。