顎関節症専門医のつぶやき(グリデン日記)

歯科医院(通称グリデン)からの顎関節症についての情報です。

あの人のお口がにおったのはナゼ? 世界一やさしい歯周病の本

 著者の西真紀子先生は、神戸大学教育学部卒業、大阪大学歯学部卒業後、スウェーデン・マルメ大学カリオロジー講座留学、酒田市の日吉歯科勤務後、現在はアイルランド・コーク大学で博士課程に在籍中である。その傍らでNPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」の理事長を務めている。
 西先生は、現在1年に数回日本に帰国するが、彼女が帰国のたびに気づく日本独特なものに「口臭」があるという。身なりは欧米人の誰よりもきちんとして見るからに清潔そうなのに、明らかに歯周病だと思われる口臭があり、このアンバランスに考え込んでしまうそうである。なぜならば、最先端の予防を知っていれば、歯周病はほぼ100%防ぐことができ、歯周病による口臭がすることは考えられないからである。予防先進国であるスェーデンでは、子供のころからみんながメインテナンスに通っていて、むし歯の人が少ないのはもちろん、口臭がする人も、歯周病で歯が無くなる人もほとんどいない。西先生は、日本も早く予防先進国であるスウェーデン並みとなるようにNPO法人をつくり、啓蒙活動に力のために知恵を絞っているという。
 本書は、そんなことを考え、世界一やさしい歯周病の本として、あるできごとをきっかけに「歯周病」について興味を持った小学5年生のサキちゃんが、お口はなぜにおうか、歯周病とはどんな病気なのか、お口の健康と体の健康はどのようにつながっているのかを、歯科医師、西真紀子先生との出会いによって勉強し理解を深めていく過程いついて書かれている。この中でサキちゃんが学んでいくことは、西先生がすべての日本人に伝えたいことである。
 生涯お口のことで悩まないために、もっともとっつきやすい歯周病予防入門書として一読することをお勧めします。まず病気のことを知ることです。
 

「あの人のお口がにおったのはナセ゛?」

「あの人のお口がにおったのはナセ゛?」