顎関節症専門医のつぶやき(グリデン日記)

歯科医院(通称グリデン)からの顎関節症についての情報です。

これで顎関節症がわかる!3

1)筋骨格性疾患
  体を支える骨格系(骨とそれをつなぐ靭帯、関節、軟骨など)と骨格の運動を引き起こす筋(筋と腱など)をまとめて筋骨格系と呼びます。筋骨格はそれぞれが連携して働いており、どのひとつが悪くても顎がうまく動きません。また筋、関節などが同時に障害を受けることもあります。
筋骨格性の痛みの多くは構造の異常によるものではなく、生理機能の異常によるものであるため、レントゲンやMRIの画像所見と痛みは一致しないこと、誘因なく痛みが始まることが多いと言われています。筋骨格性の障害は機能障害であるため、その特徴として痛みは動かすことで悪化することです。ただ顎関節の中のズレなどが問題となっている場合はそれが痛みの原因になっていることがありますが、痛みはなく、口が開かない、顎が鳴るなどの症状のみの場合もあります。
 この時の痛みの多くは、筋肉や関節の血液の循環障害です。血液の循環が悪いために、痛みを起こす物質がそこにとどまることで痛みを長引かせます。また痛みがあり顎を動かさないでいると、顎の関節の中がくっついてしまい(癒着)、さらに口が開かなくなります。つまり筋骨格性の障害を改善するためには血液の循環を良くすること。すなわち血液の循環を良くするためには痛くても動かすことが重要となります。また再発を防ぐ、あるいは予防するためにはスムーズに顎が動くことが大切です。ですから治療の目標は、痛みの消失よりも先に顎の機能の改善となり、機能が改善すれば痛みはそれに伴い軽減していきます。

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