顎関節症専門医のつぶやき(グリデン日記)

歯科医院(通称グリデン)からの顎関節症についての情報です。

これで顎関節症がわかる!10

3.顎関節症の原因は?
 1)咬み合せは顎関節症の原因か?その1
  顎関節症の原因を考えてみましょう。咬み合せが悪いから顎関節症になる。そう考えられていた時代がありました。ありましたと書きましたが、メディアなどで顎関節症が取り上げられる時には、咬み合せの不調が顎関節症を引き起こすことや、全身的な症状、精神的な症状を引き起こし大変に怖い病気であると強調されていて、怖い思いをされた方もいるのではないでしょうか?
 まず噛みあわせと顎関節症の関係ですが、現在では世界的な見解として、関係あるときもあるし、ない時もあるとされています。でも実際、咬み合せが悪い人が顎関節症になり、咬み合わせを治したことで症状が治ることもあります。
 これはどういう事か考えてみたいと思います。
まず、原因と結果について考えてみましょう。すべての原因は、必ず決まった一つのことから起こるでしょうか?人間は機械ではありません。疲れているときもあれば調子のよいときもありますよね。仕事や家庭でイヤなことがあれば気が重くなりますね。また力仕事が多ければ歯をかみしめる事が多くなるかもしれません。実際、咬み合せが悪い人はみんな顎関節症になるのでしょうか?周りを見渡してみてください。咬み合せは悪そうなのに、何でもバリバリ食べている人がいますよね。1つの病気に1つの原因を当てはめるのを単一原因説と言いますが、咬み合せの良し悪しだけが顎関節症の症状を左右するわけではなく、いくつかの要因が積み重なり、顎の関節や筋肉が個人の許容範囲を超えてしまった時に症状が出る多因子病因説が現在は考えられています。
 つまり下の図は積み木モデルと言われている、顎関節症の発症要因を示す図になりますが、ここに示すように、かみしめる癖や寝る姿勢等の悪習癖、生活習慣、もともとの顎の関節や筋肉の耐性、ストレスや性格、歯ぎしり、そしてかみあわせが積み木のように積み重なり、個人の許容範囲を超えると症状が出ると言われています。かみあわせが大きくかかわっていることもありますが、他の要素を減らす事でも症状が軽くなる可能性があるという事です。

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