顎関節症専門医のつぶやき(グリデン日記)

歯科医院(通称グリデン)からの顎関節症についての情報です。

これで顎関節症がわかる!20

4)積極的に顎を治すためのセルフケア(リハビリテーション
  顎関節症では、患者さん自身が行うセルフケアが大変有効で重要であるのはここまでお話ししてきたとおりです。
 日常生活で気をつけていただくことの他に、症状を改善するために行っていただきたいことがあります。顎関節症の痛みは、筋骨格系の運動障害とのお話を最初にしました。以前は痛みがあれば安静にすることが重要であるとされていました。当然痛みがかなり強ければ、安静にすることです。これについては前項を参考にしてください。
 何もしないでの痛みが無くなり口を開けた時や咬んだ時の痛みだけになったら顎を積極的に治すためのセルフケアを行います。顎の痛みは、筋肉や関節の血行障害が原因ですので、積極的に動かすことです。つまり、運動機能の改善が痛みの改善につながります。ここ注意していただきたいのは、顎の動く範囲が広がり、真っ直ぐに大きく開けられるようになってくると、それに伴って痛みが取れてくる。わかりやすく言うと、痛いのを我慢して動かしていると、そのうちに痛みが取れてくるという事です。つまり動くようになると今まで使っていなかったところが動くようになるので、痛みが強くなったり、関節が動くことで、開けた時や閉じる時に顎が鳴ることがあります(カクンやザラザラなど)。最初は驚くかもしれませんが、これは動いているという事なので気にしないでください。
 実際、なかなか痛みが取れず来院する患者さんにお話を聞くと、怖くて動かせない、あるいは診てくれた先生から安静にするように言われたというケースが多いです。詳しくは治療の所でお話ししますが、そんな時にゆっくりと顎を伸ばしてあげるとすぐに楽になることも多く、患者さんは驚かれます。
 ただやみくもに動かすと却って逆効果となることもありますので次からのやり方の説明をよく参考にしてください。
 顎を積極的に治すセルフケアには、筋肉に対するのもの、関節の動く範囲を広げるもの、ストレッチがあります。
 次回からこれらについて解説していきます。

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